相撲は体にまわしひとつを巻き、戦う格闘技ですね!
いわゆる、まわしは力士にとっての唯一の戦闘服なわけです。
しかし相撲を見ていると、激しい動きの中でまわしが伸びたり、緩んだりするのを見ると、ほどけてしまうのではないかと心配になったりしますね!
もし、取組の途中にまわしが外れてしまったら勝敗はどうなるのでしょうか?
また、まわしの下には何か着用しているのでしょうか?
今回は、そんな疑問にお答えしていこうと思います!
まわしが取組中に外れると勝負はどうなるの?
出典:デイリースポーツ
本場所用のまわしは、幕下以下の力士は木綿、関取は絹で作られており、どちらも硬めに織られており、それをしっかりと硬く体に巻くので、簡単に外れることは無いのです!
私も、関取の締め込みを掴ませてもらったことがありますが、初めに想像していたより硬く、握ったイメージとしたら、ちょっと薄手の辞書を掴んだ時のような手応えがあるんですよ。
ですから、木綿や絹といっても布地のイメージでは無く、かなりしっかりとした硬さですかね。
もし相撲の取組中にまわしが外れると、勝負規定第十六条により「反則負け」になるんです!
【勝負規定第十六条】
「前褌(まえみつ)がはずれて落ちた場合は、負けとする」
取組中、もしまわしの後ろの結び目が緩んでほどけてくることがあると、行司は「まわし待った!」と声をかけ取組の進行を止め、まわしを締め直すという権限が与えられているんですね。
力士はその時、止められた時の形のままジッと動かず、その間に行司が緩んだまわしの結び目を締め直し、双方の力士のまわしの後ろの結び目をポンッ!と叩き、勝負を再開させるんです!
ですから、まわしの緩みには行司が常に目を配っていますので、いきなり外れてしまったりすることは、起きることがないんですね。
今までにまわしが外れて反則負けになった事はあるの?
直近では、平成12年5月場所に三段目で、まわしが外れてしまい負けになったという取組がありました。
それでは、その取組の顛末をお伝えしますね!
【平成12年5月場所三段目取組】
●朝ノ霧ー千代白鵬〇
取組の途中、自分のまわしが緩んできたことに気づいた朝ノ霧は、右手で必死にまわしを押さえながら、懸命に取組を続けていたのですが、抵抗むなしくまわしはズルズルとほどけ始めたのです。
土俵下にいた審判が皆慌てて手を上げ、「見えてる!見えてる!」「待った!」と声をかけ、取組をストップさせました。
取組後、審判長は館内へ「東方力士の前袋(まわしの局部を覆っている部分)が落ちたため、西方力士の勝ちとします」と勝負判定を説明。
朝ノ霧は負けとなりました。
本人は取組後、本当に恥ずかしかったようで、使っていたまわしより1m長い7mのまわしを、その日の帰りにすぐ、相撲協会で買って帰りました。
太ったことでまわしが短くなっていたのが原因なのか?
本人としてはホントに気の毒な不名誉な黒星になりましたね。
まわしの下に何もつけていない理由とは?
出典:スポーツニッポン
大相撲の世界では、まわしは肌に直接巻くことになっているので、まわしの下には何もつけていません!
子どもの相撲などでは、まわしの下にサポーターパンツを着用したりすることもありますね。
では、なぜまわしの下には何もつけていなのでしょうか?
それは、相撲協会の規約の第一条と第二条にこのように記されているからなんですね。
【力士協定第一条】
「力士は締込み以外を身につけてはならない。相手に危害を与えると認められるものは一切禁止」
この協定によって、土俵上ではまわし以外のものを認めないということになっているんですね。
土俵上でサポーターやテーピングをつけている力士も多いですが、それは相手に危害を与えるものと判断されていないので、容認されているようです。
【力士協定第二条】
「理由なしで締込の下に下帯(したおび)を使用することはできない」
まわしの下に何もつけない理由は、この第二条の協定に基づくところが大きいでしょうね。
理由が規定だからと言ってしまえば、それまでなんですが、なぜこのような規定になったのか?という理由までは定かではないんです。
相撲の古くからの伝統ということになるのでしょうが、長い歴史の中で、力士が経験則で、まわしの下に何もつけないことで不便や不満を感じていないということが一番の理由でしょうか!
何か問題があるなら、力士から声が上がり規定自体が見直されるはずですからね。
↓力士のまわしの色って何色でもいいのか?まわしは洗濯するのか?についての詳しいお話しはこちら!
まとめ
相撲の取組の途中でまわしが外れた場合は、負けになってしまうことがおわかりいただけたでしょうか?
でも、まわしは想像以上に硬く、そんなに簡単に外れるものではありませんし、取組中もそのような事態になりそうな時は、行司がまわしを締め直すということもするのですね。
まわしの下には何もつけてはいませんが、そのような理由から特に心配をしたり、問題が起きる可能性はとても少ないのです!
何も武器を持たず、体にまわしひとつで戦う男たちの勇ましい相撲を楽しんで見てもらえたらと思います!