今、大相撲界では若手ホープとして、朝乃山と豊山の２人に注目が集まっています！
平成30年７月場所は、異例の３横綱１大関が休場となる中、関脇の御嶽海が優勝し、若手新勢力の台頭が始まった感がありました。
中でも、三賞を受賞した朝乃山と豊山は場所ごとに力強さを増し、そのスケールの大きさから人気急上昇中です！
この２人は入門前からお互いを知る関係でした。
今回は、朝乃山と豊山の２人のライバルヒストリーをご紹介していきますね！
朝乃山と豊山は、高校時代からお互いの存在を知っていた！
出典：Resemom
出典：東京農業大学校友会
富山県出身の朝乃山は地元の富山商業高校で、新潟県出身の豊山は石川県の金沢学院東高校で、それぞれ相撲部に所属して活躍をしていました！
共に同じ北陸地方の相撲強豪高校であり、高校の監督同士が交流があったこともあり、両校は毎年夏の合宿で一緒に稽古をしていた関係でしたので、２人は高校時代からお互いの存在を知る仲だったんですね。
同学年の２人、高校時代はどちらかというと朝乃山の方が実力は一枚上といった感じだったそうです。
豊山は「石橋（朝乃山本名）は僕より強かったです。懐が深くて」と言えば、朝乃山も「高校時代は、小柳（豊山本名）はあまり強いと思わなかったんですよね」と。
両人ともそのあたりの見解は一致していたようですね！
高校卒業後、朝乃山は近畿大学へ、豊山は東京農業大学へそれぞれ進学し相撲部に所属します。
大学時代は、朝乃山は西日本の大会が多く、豊山は東日本の大会が多かったため、あまり対戦は多くはなかったそうなのですが、高校時代からお互いの存在を知るもの同士、それぞれの動向は気になって過ごしていたそうですよ！
２人は共に、三段目100枚目格付け出しデビューの同期生！十両昇進は豊山2場所リード！
出典：日刊スポーツ
出典：朝日新聞
大学時代の実績から２人は共に、平成28年３月に新制度であった三段目100枚目格付け出しで相撲界へ入門、初土俵を踏むことになりました！
朝乃山と豊山２人の相撲界でのライバルヒストリーは、ここで幕開けしたのですね！
初土俵でいきなり２人の対戦は組まれて、豊山が勝利を収めたんです！
この取組を制した豊山はデビューの場所を７戦全勝の優勝で飾り、朝乃山は５勝２敗の成績で終えました。
豊山は翌５月は幕下に上がり、その場所でも優勝を果たし２場所連続の優勝となりました！
朝乃山は豊山の後を追うように、三段目を３場所で通過し４場所目に幕下に昇進しました。
ここまでで番付は豊山が一歩リード！
豊山はその後も幕下を３場所で通過し、初土俵から所要４場所で平成28年11月には新十両を果たしました！
一方、朝乃山は幕下で迎えた３場所目、平成30年１月場所に優勝を飾り、豊山より２場所遅れて、初土俵から所要６場所で平成30年３月場所に十両昇進を決めたのです！
豊山は朝乃山より２場所早く十両昇進したことに対し、
「あの１番は大きかったです。先に十両に昇進できたのも、あの一戦に勝ったからだと思います」
と、話しています。
「あの１番」とは…、初土俵の三段目の取組で対戦した一戦のことだったんです！
デビューの場所で豊山は７勝、朝乃山は豊山に敗戦も含め５勝、この勝ち星の差が、番付昇進に後々まで響き、十両昇進に２場所の差が生まれたのだと思われます。
ひとつの白星の重みが伝わってきますね！
十両に昇進した２人は、
豊山は「４場所での昇進は出来すぎ。対戦したい人ばかり。馬力で持っていく相撲を取りたい」
朝乃山は「大阪で初土俵を踏んだのが１年前、第２の故郷大阪に関取で帰って来る目標が達成できて良かった」
と、このようにコメントしていました！
２人とも、十両昇進まで負け越し無しでのこのスピード出世ですから、すごいですよね！
入幕後２度の十両陥落の豊山、追いついた朝乃山は新入幕で敢闘賞！
出典：日刊スポーツ
出典：報知新聞
十両昇進後、豊山は11勝、８勝、９勝の成績で十両を三場所で通過し、平成29年５月場所に新入幕を果たします。
一方、朝乃山も十両を10勝、８勝、11勝の成績で豊山と同じく三場所で通過し、２場所遅れて平成30年９月場所に新入幕を果たしました。
しかし、ここまで負け越し無しで順調に番付を上げてきた豊山が新入幕の場所で、思いもかけず大きな壁にぶち当たってしまうのです！
豊山は新入幕の場所、初日を白星でスタートするも二日目から７連敗を喫し、この場所を４勝11敗というまさかの大敗で終えました。
場所を終えて「こんなに長く苦しい15日間は今まで経験したことが無かった」と落胆していました。
朝乃山は、この豊山の新入幕での負け越しを受けて「あの豊山が、幕内というのは跳ね返されるのか…」
と話していました。
豊山は十両に陥落して一場所で９月に再入幕を果たすも、「色々考えすぎて、後手後手になってしまった」と、右膝の負傷もあり再び４勝11敗の成績となってしまいました。
この９月場所は、朝乃山が新入幕をした場所でしたので、幕内での初めての直接対決もあり、朝乃山が勝利しました。
新入幕の朝乃山は、10勝の好成績を収めて見事に初めての三賞、敢闘賞を受賞しました！
朝乃山は、幕下、十両、幕内の昇進を常に一歩先を行く豊山の背中を追いかける展開でしたが、この場所で初めて豊山を引き離す形になったんですね！
豊山も２度目の十両陥落から再び一場所で幕内復帰を果たし、平成30年１月場所から２人揃っての幕内での戦いがスタートしたのです。
朝乃山、豊山が２人揃って敢闘賞受賞！共に幕内上位に躍進へ！
共に幕内上位目指してスタートした平成30年でしたが、朝乃山もなかなか大勝ちがむずかしく幕内10枚目の壁を破れずにいました。
一方、豊山は２度の十両陥落の経験で蓄えた力を発揮して、５月には前頭３枚目まで番付を上げましたが、初日から９連敗を喫し10日目にようやく白星を上げるも、2勝13敗と上位陣の壁に思い切り跳ね返されました。
しかし翌７月場所、朝乃山、豊山の名前が一気に世間に知れ渡ることとなるんです！
優勝争いをトップで走る関脇の御嶽海を、前頭13枚目の朝乃山と、前頭９枚目の豊山が２人揃って追走していました！
テレビでも、優勝争いを知らせる画面には連日２人の名前も出ていて、相撲ファンの間でも日に日に２人の相撲に注目が集まっていくのがわかりましたね！
しかし先頭を行く御嶽海との星の差は縮まらず、終盤優勝争いからは脱落してしまいましたが、圧巻だったのは千秋楽の豊山！
豊山は14日目にすでに優勝が決まっていた御嶽海との取組が千秋楽に組まれ、初めての三役揃踏みも経験しました。
大方の予想は、関脇でもあり優勝も決まった乗りに乗っている御嶽海が有利と見られていましたが、この一番が、まぁ～凄かったんです！
お互いが激しく攻め合い、しのぎ合い、動き回ること約20秒！豊山はもろ差しになられて万事休すかと思われましたが、最後はまわしが切れても諦めず左から掛け投げにいき、御嶽海を仕留めたのです！
出典：YouTube
千秋楽当日、テレビの解説だった北の富士さんも、取組中何度もうなり声を上げるほどの熱戦で、「いや～、すごい相撲だったね！」と驚嘆していました。
向正面ゲストの舞の海さんも「今日いらしたお客さんは、この一番だけでもチケットを取った価値があるくらい！」と絶賛。
優勝が千秋楽を待たずに決まってしまった時は、千秋楽の相撲は往々にして締まらない気の抜けた感じになることが多いのですが、私もこの御嶽海と豊山の一番は、７月場所を通しても一番見応えのある相撲だったのではないかと思ったほどでした！
朝乃山と豊山は終盤戦まで優勝争いに加わり、二桁の勝利をあげたことを評価され、共に７月場所は敢闘賞を受賞することになったんですね！
相撲中継の三賞インタビューでは、
朝乃山は「（豊山に）負けたくない、先に（優勝レースから）落ちたくない気持ちがありました。星ひとつ負けてしまったので、来場所は勝てるように頑張りたい」
豊山は「（今日の相撲に勝ったことは）最後まであきらめないで土俵に上がろうと思っていたので、結果になってよかったです。（敢闘賞は）２人で一緒に受賞できると思わなかったので嬉しいです」
とコメントしていました！
出典：YouTube
大相撲はライバル関係があると、お互いを刺激し合いより高め合い、後に共に新しい時代を築いていくというドラマがたくさん生まれるんですよね！
８月の夏巡業では、２人のところにはファンが一気に集まり、サインや写真を求められる数が格段に多くなっている気がしましたよ！
出典：日本相撲協会
豊山は、ファンにサインを求められて「ボク、朝乃山じゃないけどいいんですか？」と冗談を飛ばし笑わせていました！
こんなちょっとした光景にも、ライバルを意識している気持ちが伝わってきますね！笑
９月場所は朝乃山は初めて番付を上位に上げますし、豊山は２度目のチャレンジとなる横綱、大関陣と総当たりの番付まで上がると思われます！
２人の幕内での直接対決は現在のところ３戦で、朝乃山の２勝、豊山の１勝となっています。
これから本格的に始まる２人のライバルヒストリーをワクワクしながら見ていきたいですね！
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