本場所の土俵では、毎場所、力士たちが白熱した相撲を見せ盛り上がっていますね!
しかし、怪我や病気のため、本場所を初日から休場したり、途中休場する力士も多く見られます。
力士が本場所を休場した時、お給料はもらえるのでしょうか?
また、休場すると番付はどうなるのでしょうか?
今回は、そんなお話しをしていきたいと思います!
相撲で休場したら、給料はもらえるの?
まずは、力士にはどのような収入があるのかをまとめてみました!
力士の収入は給料(月給)と報奨金というものが軸となり、その他の手当て等があります。
【力士の収入一覧】
- 給料(毎月・十両以上)
- 報奨金(年6回 本場所開催月・十両以上)
- ボーナス(年2回 9月・12月・十両以上)
- 本場所特別手当(年6回 本場所開催月・小結以上)
- 力士補助金(年3回 東京開催月・十両以上)
- 出張手当(年3回 地方開催月・十両以上)
- 優勝賞金(毎場所・優勝力士)
給料・報奨金・ボーナスについての支払いは?
力士は休場した場合でも、給料(月給)は支払われます。
報奨金という収入は、各力士が過去の成績によって持ち給金というものを持っており、それによって、本場所のある月(年6回)に支払われるものです。
報奨金も、休場した場合でも支払われます。
年2回のボーナスも、休場があっても全額支払われます。
その他の手当の支払いは?
本場所特別手当は、小結以上の三役力士に1年間で6回、本場所のある月に支払われる手当です。(横綱20万、大関15万、関脇・小結・5万)
その支払いは、本場所の出場日数により違いがあります。
- 11日間以上出場した場合は全額。
- 6日~10日間の出場では支給額の3分の2。
- 5日以下の出場では支給額の3分の1。
- 全休の場合は支給されません。
力士補助金、出張手当は支払われます。
もし横綱が休場をした場合、横綱の給料は月282万円ですから、休場をしても、これだけの月給をもらえるのはいいな~と、思われるかもしれませんね。
でも全休した場合、出場していないわけですから、土俵で勝った時にもらえる懸賞金がもらえないわけですね。
私のような庶民からしたら、すごい金額だなと思いますが、プロスポーツ選手の、しかも横綱となるとトツプアスリートの収入と考えれば、野球やサッカーなどのメジャー競技と比べると、怪我や病気をした時期の収入と考えると、安いような気もするんですけどね。
↓力士の給料や報奨金などの収入に関する詳しいお話しはこちら!
力士は給料をどこから貰っているの?金星取ったら収入が増えるって本当?
休場したら番付はどうなるの?
相撲界は、すべて番付により地位が決まり、それによって収入も決まっています!
その番付の地位により、休場した時の扱いに違いがあります。
横綱の場合
横綱は、負け越しても、休場して全休したとしても番付は下がりません!
相撲界は基本、自らの意志で辞めない限り、他者からの引退勧告の無い世界なんです。
しかし、横綱だけは休場しても番付は下がらない代わりに、横綱審議委員会という機関があり、休場が長く続くなど、横綱がその地位の責任を全う出来なくなっていると判断された場合、引退を示唆されるという地位でもあるんです。
大関の場合
休場は負けと同じ扱いとなりますので、1場所8日以上の休場は黒星と同じで負け越しとなります。
1場所負け越しても、次の場所はカド番ということになりますが、番付は落ちることなく大関のまま変わりません。
次の場所に勝ち越せば、関脇に陥落すること無く、大関の番付を保つことができるんですよ。
しかし大関は、2場所連続で負け越しの状態が続くと、大関の地位から番付が関脇に下がってしまいます!
2場所連続で負け越し関脇に陥落した場合も、陥落した関脇で10勝以上を上げると、大関に再び復帰できます。
三役(小結・関脇)・平幕・十両の場合
休場は負けと同じ扱いとなりますので、1場所8日以上の休場は黒星と同じで負け越しとなります。
負け越しでは番付は下がります!
どのように番付の昇降を考えるかというと、勝ち越しは8勝以上ですので、7勝以下の場合は負け越しということになります。
たとえば、5勝10敗だったとしたら、負け星の方が勝ち星より5つ多いということになり、負け点▲5と考えられ、番付は約5枚程度下がります。
他の力士との昇降の兼ね合いもありので、その時により、多少の枚数のズレは生じますけどね。
休場は負け扱いですので、0勝15敗ということですから、負け点▲15ということになりますので、力士は番付を下げないためにひとつでも多く勝ち星を上げたいと思っているのです!
平成30年7月場所で、平幕の嘉風が前頭5枚目で2勝13敗という成績でした。
負け点▲11ということになり、前頭5枚目からの陥落だとたぶん幕内の一番下16枚目で、とどまるのではないか?と思われます。
この2勝の白星にはドラマがあったんですよ!
嘉風はこの場所、初日から13連敗を喫し、14日目にようやく白星、千秋楽にも勝って2勝としたのです。
もし、1勝14敗だったら▲13となり、前頭5枚目からの陥落となると、16枚目が一番下の幕内にとどまることがむずかしい状況だと思われ、もう十両に陥落してしまうかも…と思われました。
しかし、千秋楽最後の白星を上げて2勝にしたことが、幕内にとどまるか?十両に陥落するか?という、番付を大きく左右することになったことがわかりますよね。
この嘉風の場合は、まだ9月の正式な番付が発表されているわけでは無いので、正確にはまだどうなるかわかりませんが、計算上では幕内に残留できると予想できますね!
白星ひとつ、黒星ひとつで番付の地位も収入も変わってしまう厳しい世界なんです!
ですから力士は誰でも、絶対に休場したくないと思っているのですよ!
幕下以下の場合
幕下以下の力士は、1場所で7番相撲を取ります。
休場した場合は、7戦全敗と同じに扱われ番付は下降します。
4勝以上が勝ち越しで、3勝以下が負け越しとなります。
幕下以下は、序ノ口に約70名、序二段に約220名、三段目に200名、幕下には120名と、多くの力士がいますので、関取以上にひとつの白星、黒星が番付に及ぼす影響は大きくなります。
たとえ4勝3敗でも勝ち越せば番付は何十枚も上昇しますし、3勝4敗でも負け越せば何十枚も下降するという感じです。
まとめ
今回は、力士が休場した場合に、給料と番付がどのようになるかについてお話ししてきました!
関取の場合は、休場しても給料は支払われますが、休場というのは負け越しと同じ扱いになりますので、番付は下がってしまいますね。
番付が下がれば給料に違いが出てくることもありますから、力士は怪我をしても、何とか本場所で相撲を取ろうとします!
途中休場しても、怪我が軽ければひとつでも白星を取ろうと、再出場してくる力士もたくさんいますね。
力士が、怪我や病気での休場が無く、毎場所精一杯戦えることをいつも願っています!