相撲豆知識

相撲の力士の付き人とはどんな仕事をするの?給料は貰えるの?

大相撲の世界では、力士は関取になると付き人をつけることができます。

稽古場でタオルを持ち関取の汗を拭いたり、本場所で座布団を運んだり、付き人が働いている姿を見かけることは多いですね!

付き人はどのような力士がやっていて、稽古場や本場所以外では、日頃はどのような仕事をしているのでしょうか?

お給料は貰えるのでしょうか?

などなど、今回はそんな関取に仕える付き人についてお話ししていきたいと思います!

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相撲の力士の付き人(付け人)とは?


出典:日本相撲協会

 

相撲界における付き人というのは、関取の本場所や稽古場での補助や日常生活においても身の回りの世話などをする人のことです!

一般的に芸能界やプロレスなどの世界では「付き人」と言われていますが、相撲界では「付け人」と呼ばれています。

意味は同じものですので、今回は一般的な総称である「付き人」と表記してお話ししていきますね!

 

力士の付き人をするのは誰?


出典:日本相撲協会

 

相撲界では、付き人は関取と同部屋の幕下以下の力士が担当します。

相撲界は年功序列の世界では無いので、年下や後輩の関取に、年上や先輩の付き人がつくことは多々あります!

まさに番付社会ですね!

関取が多くいる部屋は、付き人の数が足りないという状況が起こることがありますので、そういう時は、同じ一門の部屋から付き人を貸してもらうことが出来ます。

 

力士の付き人は何人ぐらいつくの?

関取の番付により、付き人がつく人数は異なります。

基本としては、

 

  • 十両:1人~2人
  • 幕内:2人~3人
  • 大関:3人~4人
  • 横綱:7人~10人

 

だいたいこのくらいが目安とされています。

横綱は、綱を締めたり人垣でのガードをしたりするのに人手必要なため一気に多くなりますね!

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相撲の力士の付き人はどんな仕事をしているの?


出典:日本相撲協会

 

付き人は稽古場ではまわしを締めるのを手伝ったり、ウオーミングアップの相手を務めたり、汗を拭いたり、細かいことだと包帯巻きやテーピングの用意をしたり、さまざまなことに目配り、気配りをします。

本場所では、明け荷の準備や運び入れ、締め込みの下がりを作ったり、化粧まわしや締め込みを巻く手伝い、座布団を運んだりします。

 


出典:荒汐部屋HP

 

日常生活においても関取の食事の給仕、風呂での背中流しや洗髪の手伝い、洗濯、部屋の掃除、マッサージ、タクシーを手配したり、買い物をしたり、それはもう~ありとあらゆる身の回りの事すべて多岐に渡るんです!

関取が快適に過ごせるように、女房役、秘書、マネージャーのような役目を果たしています。

時には本場所の取組の作戦を一緒に練ったりすることもあるのです。

よく土俵で制限時間いっぱいになった関取が塩カゴのところに来た時に、花道の奥にいる付き人に向かってうなずいたりしている光景を見かけたりしますね!

土俵にいる関取の気持ちを一番近くにいて見守り支えているのは、付け人なんですよね!

 


出典:日本相撲協会

 

関取は付け人を育てるのも仕事?

関取は親方から弟子を付き人として借りている形になるので、自分の付き人には稽古場でも胸を出したり、トレーニングの仕方や稽古の仕方などを細かく指導します。

まだ10代の社会や相撲界のこともよくわかっていない若い付き人には、言葉遣いや礼儀、生活態度まで私生活に渡ってもこと細かく指導する役目でもあるのです。

付き人の面倒を見ることで、一人前の人間として、力士として育成していくという責任も関取にはあるんですね!

 

付き人も複数つく場合は、一番上の幕下の力士が「付き人頭」として、付き人をまとめる役目を果たし、関取が直接指示しなくても済むように、細かい指示を下の付き人にしていきます。

このような付き人制度によって、関取も身の回りのことを助けられ、付き人も人として成長していくことが出来るというのが相撲界のいいところなんですね!

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相撲の力士の付き人は給料は貰えるの?

 

 

相撲界では関取は付き人に給料を支払う規則はありません。

幕下以下の力士は養成員ということですので、相撲協会からも給料は貰えないのですが、2ヶ月に一度、場所手当(幕下15万・三段目10万・序二段8万・序ノ口7万)というものは支給されます。

こんなに少ない金額で生活できるの?と思われるかもしれませんが、幕下以下の力士は相撲部屋で生活しているので、住むところと食べることに困ることはありません。

さらに先述の通り、関取は日頃から付き人の面倒を見るのも仕事の内ですから、お小遣いをあげたり食事に連れて行ったりと、金銭的な補助もするので、付き人が生活に困ることは無いんですね。

また、これは意外と知られていないのですが、上記のようなこと以外に相撲界の慣習としてあるのが、本場所や巡業ごとに付き人の仕事に対するねぎらいとして、関取は「ほねおり」という寸志を場所後や巡業後に包んで付き人に渡すのだそうです!

「きれもの」という言い方をする人もいますね。

だいたい金額は、序二段と三段目の付き人には3万くらい、幕下の付き人には5万くらい渡すのが慣習のようです。

しかし、これを渡すのも金額も絶対のルールな訳では無いようで、部屋や関取の考え方によるのだと思います。

気持ちということですね!

 

関取と付き人の関係を見ていると、いわゆる主従関係のようなものでは無く、面倒を見る側もお世話する側も、双方に思いやりや愛情があって成り立っているように思えるのです。

本場所の土俵に上がる関取が花道の奥にいる付け人にうなずけば、付け人もまた、こぶしを握り締めて祈るように関取の相撲を見守り、勝てば喜んでいる姿を見ていると、とても胸を打つものがあるんです!

このように付き人は関取から社会のいろはを教わり、相撲で鍛えられながら、「早く自分も関取になって付き人を持ちたい!」と日々努力していくのだと思うのです!

現在の横綱や大関も、皆、若い頃は「付き人」の経験をして立派に関取になっていったのです。

付き人さんたち!関取目指して頑張ってくださいね!

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まとめ

 

大相撲の世界での関取と付き人の関係、おわかりいただけたでしょうか?

付き人は関取が快適に相撲が取れたり生活が出来るように、いつも気配りをして身の回りのお世話をして頑張っています!

関取もまた付き人を育て、一人前の力士にするために面倒を見ているのですね。

力士は付き人を経験することで、社会や相撲界の様々なことを学び、「いつか自分も関取になるぞ!」とモチベーションを持ちながら日々頑張っているのだと思います!

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