相撲界に起るニュースは、番付広し多岐に渡ります!
番付には一番下の序ノ口から一番上の横綱まで、約700人もの力士が在籍しているんです。
連勝や連敗などの記録もさまざまにあります。
現在の横綱・白鵬は63連勝というすごい記録を持っていたりしますね。
今回ご紹介するのは、連勝とは逆の連敗記録保持者の服部桜という力士です!
番付の一番下の序ノ口で、現在も相撲を取っている力士が、なんと89連敗という記録を持っていることを、皆さんは知っていましたか?
この力士が平成30年7月場所で783日ぶりとなる白星を上げ、大きな話題となっているんです!
しかし、この服部桜の四股名を有名にしたのは、この連敗記録ではなく、ある事件がきっかけでした!
今回は、この服部桜についてご紹介していきたいと思います!
序ノ口力士の服部桜、立ち合いで自ら尻もちをつく敗退行為でその名前は一躍有名に!
出典:デイリースポーツ
まずは、普通ならニュースにならないような、序ノ口の力士が2勝目を上げたことが、なぜこんなに話題になってしまう人なのか?ということを、お話ししますね。
【服部桜の戦歴と敗退行為事件のあらまし】
- 平成27年9月場所 初土俵 前相撲にて1回目の敗退行為
- 平成28年5月場所 5日目3番相撲にて澤ノ富士戦初白星!(初土俵から通算23戦目)
- 平成28年9月場所 3日目2番相撲 錦城戦にて2回目の敗退行為
- 平成30年7月場所 3日目2番相撲 颯風戦キャリア2勝目(※初土俵からの通算成績 2勝111敗1休)
※ 初土俵からの通算成績は平成30年7月場所3日目現在
服部桜は、平成27年9月場所で初土俵を踏み、前相撲を取っています。
その前相撲の際、立ち合い自ら尻もちをついて敗戦とされています。
この時は初め、審判長はこの不思議な事態を服部桜の「待った」だと判断して、やり直しを命じますが、服部桜が「待ったでは無く、バランスを崩した」と主張したため、そのまま負けの判定が下されたのです。
番付に名前が載って4場所目の平成28年5月に初めて白星を上げますが、この場所は1勝6敗で終えました。
初めての白星がこちら↓
出典:YouTube
その後も負け続け、平成28年9月場所3日目の2番相撲で事件は再び起こります!
平成28年9月場所 錦城戦の敗退行為がこちら↓
出典:YouTube
最初の立ち合い、立ち上がった服部桜は自らすぐに手をついてしまいますが、不慮の事態とみなし、行司がやり直しを命じます。
2回目の立ち合いも、服部桜は立った途端に自ら手をつき前に倒れ込みます。再びのやり直し。
3回目の立ち合いでは、今度は立った途端に自ら後ろに尻もちをつくという、自らの敗退行為ととれる事態の連続に、その場は、行司も審判も対戦相手も、現場は、今何が起こっているのか?これをどう判断したらいいのか?という空気に包まれました。
再びのやり直しを命ぜられ、4回目に何とか立ち上がり敗戦。
自ら負けに行くという、前代未聞の取組に対し、取組後、師匠の式秀親方に審判長から事情が聞かれ、敗退行為とも取れる相撲に対し口頭注意が与えられました。
もちろん私も、長く相撲を見てきた中でも、初めて見る光景でしたよ。
一体何をしに土俵に上がってきたんだろう?って、本当に不思議でした。
【取組後の談話】
- 本人談「稽古で首を痛め、立ち合い頭からいくのが怖かった」。母親には「自分でもあんなふうに体が反応してしまうとは思わなかった。悔しい」
- 親方談「恐怖心があったとはいえ、ああいう行為は相手にもお客さまにも失礼。本人とは当日2時間ほど話し、立ち合いを指導しました」
この一件はマスコミで報道され、服部桜の名前は一躍世間に知れ渡ることになりました。ここで、知られた方もいるかもしれませんね。
その後も負けが続き、連敗はついに89にまでなってしまいました。
【平成30年7月場所】最弱力士 服部桜が連敗を89でストップ!783日ぶりの白星で通算2勝目を上げる!
出典:報知新聞
平成28年5月に1勝目を上げて以降、89連敗を続けていた服部桜が、平成30年7月場所の3日目2番相撲で、ついに2勝目を上げました!
対戦相手は二子山部屋の颯雅。決まり手は腰砕けでした。
平成30年7月場所通算2勝目を上げた相撲がこちら↓
出典:YouTube
「腰砕け」というのは、自ら仕掛けたものでは無く、相手が自爆したときの決り手なんです。
しかしながら、この取組を見ると、立ち合い服部桜がしっかりと相手に当たれているために、相手が腰が入りその場で倒れてしまったというのがわかりますね。
立ち合い逃げて自ら尻もちをついていた力士が、立ち合いの当たり勝ちとは、服部桜自身も気を良くする一番だったのではないでしょうか?
体重も入門時から20㎏ほど増え、89連敗中の間も、負けても1分に渡る長い相撲があったり、惜敗の相撲もあったりしていたんですよ。
そろそろ白星が見れるのでは?と思っていたところ、ようやくの白星に本人は「嬉しかった。自分の立ち合いをしようと思った」と話していました。
これで、初土俵からの通算成績は、2勝111敗1休となりました。
服部桜ってどんな人?プロフィールとその性格は?
【プロフィール】
- 四股名:服部桜 太志(はっとりざくら・ふとし)
- 本 名:服部 祥多(はっとり・しょうた)
- 生年月日:平成10年7月16日(19才)
- 出身地:神奈川県茅ケ崎市
- 身 長:176㎝
- 体 重:80㎏
- 所属部屋:式秀部屋
子供の頃はどんな子だったの?相撲界に入るきっかけは?
小学生の頃から、祖父と一緒に相撲を見ていて、その時見た把瑠都の強さに魅かれ、相撲に興味を持ったんだそうです。
中学生時代は陸上部に所属していて、主に1500mの長距離を専門にやっていたそうです。
高校には進学せず、陸上部時代に興味を持ったトレーニングを続け、その時、相撲の四股とすり足を取り入れたところ、その効果に非常に手応えを感じ、相撲界に入門したいと思ったんだそうです。
四股とすり足の凄さを実感して、相撲界へ行く!と思ったいう、服部桜のその時の心境は、正直あんまりよくわからないんですが…。笑
何か、自分に変化を求めていたのでしょうか?
以前、現在の式秀親方が現役中(元幕内・北桜)に、一緒に写真を撮ってもらったことで、北桜のファンであったため、両親にも話さず式秀部屋に1人出向き、入門を懇願しに行きました。
しかし、師匠の「親の許可を取ってから来なさい」という言葉に、両親に許可を得た後、再び部屋を訪れ入門することになりました。
お母さんの話によると、子供時代から、あまり運動神経は良くない子で、怖がりだったとか。
でも、相撲が好き!その一念で、頑張っているのだと思います!
まとめ
戦歴2勝111敗1休ということを見れば、中には相撲人生に早く見切りをつけて、別な道を行った方がいいという人もいると思います。
相撲界は体格と内臓の審査に通れば、その時の実力やキャリアに関係なく、誰もが門を叩き入門できる世界です。
団体戦でもないので、番付に名前が載っていれば、誰でも出場し戦ってのし上がって行けるという珍しいシステムですからね。
これは、他のプロスポーツには無い、誰でも成功できるチャンスが与えられる、また、自ら辞めない限り、事実上の引退勧告を言われることもないという相撲界のおもしろいところでもあるんですね。
服部桜が入門以来、相撲界で何を学び、何を感じ、今この2勝目を手にしたのか?は、本人しかわからないことですが、彼が相撲にかけたい気持ちがある以上、応援していきたいと思います!
いつか、勝ち越しが出来る日が来るのを見守りたいと思っています!