幕内力士の取り組みには、企業や団体などが広告をするために、懸賞金をかけることができます。
相撲の取組の時に、旗を持った呼出しさんが土俵の周囲を回っているのを、見たことがありますよね?
いっぱい回っている時は、つい本数を数えてしまったりしますね。
今回は、その懸賞金の気になる情報をご紹介しましょう。
懸賞金の金額は1本いくらなの?その内訳は?
懸賞金の1本の金額と内訳はこのようになっています。
1本…62,000円
【内訳】
- 協会手数料…5,300円(取組表掲載料・場内放送料など)
- 納税充当金…26,700円(日本相撲協会が本人名義の預かり分として天引き)
- 力士手取り…30,000円
なので、実際に土俵上で力士に渡される袋の中に入っている金額は、1本30,000円です。
納税充当金は所得税などにあてられ、残りは協会が積立金として預かり、力士が引退した時に渡されます。
懸賞金はひとつの取組に何本までかけられるの?
現在はひとつの取組につき、60本まで認められています。
(東京場所の時は、※森永賞が含まれた場合は61本まで)
平成18年1月場所から、ひとつの取組に50本までという上限が設けられたのですが、その後も相撲人気などの影響で、企業から懸賞金をかけたいというオファーが殺到し、上限を特別処置で解除する取組も出たため、現在は60本になりました。
※森永賞とは、年3回の東京場所(1月・5月・9月)開催の時に限り、国技館に観戦に来たお客さんが、その日の取組の中で懸賞をかけたいと思ったものに投票ができます。
集計し一番多かった取組が決められ、それに懸賞がかかるというものです。
投票の方法は、森永製菓のキャラメルなどの空き箱の裏側に、選んだ取組を書いて館内のポストに投函します。
自分が選んだ取組が懸賞のかかるものに選ばれた場合、応募した
人の中から抽選で3名に森永製菓のお菓子詰め合わせなどが、プレゼントされます。
貰いたい人は投票の時に、名前と住所も書いてください。
懸賞金獲得にまつわる記録
懸賞金最高本数の61本がかかった取組は?
今までに上限の61本の懸賞金がかけられた取組は5つあります。
- 平成27年1月場所 千秋楽 白鵬ー鶴竜
- 平成27年9月場所 千秋楽 鶴竜ー照ノ富士
- 平成28年5月場所 14日目 稀勢の里ー鶴竜
- 平成29年1月場所 千秋楽 白鵬ー稀勢の里
- 平成29年5月場所 7日目 稀勢の里ー御嶽海
※(赤字が勝った力士)
61本の懸賞金を手にすると、1回の相撲で、3万円×61本=1,830,000円を土俵上で受け取っている訳です!
すごいですね!
平成29年1月場所千秋楽の白鵬ー稀勢の里戦は6秒の相撲でした。
ということは…、1秒で305,000円のお仕事!
すみません、庶民はついこんな計算をしてしまいます。笑
また、平成29年5月場所7日目の稀勢の里ー御嶽海戦は、14日目、千秋楽以外に初めて上限の61本の懸賞がかけられた取組になりました。
1場所で個人が獲得した懸賞金の記録
- 1位…545本 白鵬 平成27年1月場所
- 2位…515本 白鵬 平成22年11月場所
- 3位…487本 白鵬 平成28年5月場所
1年間で個人が獲得した懸賞金の記録
- 1位…2111本 白鵬 平成22年
- 2位…1990本 白鵬 平成24年
- 3位…1932本 白鵬 平成26年
やはりこれを見ても、白鵬の安定した強さが際立っていますね。
平成22年は1年間で2111本の懸賞金を土俵上で受け取ったということは、懸賞だけで約6300万円も貰ったということです!
懸賞金のこぼれ話あれこれ
懸賞金はファンが注目している好取組にかけられることが多いので、やはり横綱や大関戦が本数が多くなります。
ですから、横綱や大関と対戦の組まれた力士は、土俵上でたくさん回る懸賞旗を見て、やはり燃えてくるそうですよ。
勝利をおさめて10本近い懸賞金を手にした力士に、「これは何に使いますか?」と聞くと、「付人たちと一緒にパーッと焼肉でも食べに行きます!」という、食事に繰り出す答えが返ってくることが一番多いです。
いつもお世話になっている付人さんたちへの、ねぎらいの気持ちもあるのでしょうね。
幕内に入って取組に懸賞がかかり、初めて懸賞金を手にした力士は、ほとんどと言っていいほど、「師匠に持って行きます!」という答えが返ってきます。
ここまで師匠に育ててもらったことへのお礼の気持ちを、師匠に持って行くということですね。
受け取った師匠も感慨ひとしおのようですよ。
十両の取組には懸賞はかけられません。しかし、十両力士がたまに幕内で取組が組まれることがあります。
その時に懸賞がかかっていれば、十両力士でも勝ったときは、その懸賞を貰えることができます。
初めての懸賞金を十両力士が手にするというレアなケースですね。
力士に懸賞金をかけたい時はどうしたらいいの?
幕内力士の取組には、法人、企業などのスポンサー媒体からは、懸賞をかけることができます。
個人ではかけることはできません。
1本62,000円
(勝ち力士の獲得金額…56,700円・協会手数料…5,300円)
1日1本以上、1場所15本以上から、申込みを受け付けています。
追加は1本からOK。
土俵上で使用する懸賞旗は懸賞をかける側が制作して、相撲協会に持ち込む形になります。
詳しくは下記までお問合せください。
公益財団法人日本相撲協会
電話…03-3623-5111
懸賞係まで
まとめ
今回は大相撲の懸賞金についてご紹介してきました。
力士にとっても、懸賞金の多くかかった取組は、やはりいつも以上に気合が入るものなのでしょうね!
企業もどんどん懸賞金をかけて、相撲界を盛り上げていって欲しいです!