大相撲の横綱・稀勢の里が11月場所5日目に、日本相撲協会に診断書を提出して休場しました。
初めての一人横綱として臨んだ11月場所でしたが、初日から4連敗というまさかの結果に。
休場の理由となったのは何だったのでしょうか?
稀勢の里の8分間に渡る休場会見の一問一答と田子ノ浦親方の会見もご紹介していきます!
稀勢の里、初日から4連敗で休場へ!休場の理由は?
平成30年11月場所、初日から4連敗を喫し休場となった稀勢の里。
休場の際に提出された診断書は、
「右膝挫傷、捻挫で全治1ヵ月の休養加療を要する」
というのものでした。
初日の貴景勝戦の際、右膝を痛めたというもの。
突き落とされ倒れる時に、右足の親指を軽く土俵に突っ込んでいるので、そのはずみでうまく受け身が取りきれず、体のバランスを欠いたことから、右膝を捻ったのでしょう。
三日目の北勝富士戦も突き合いの中で、右から突き落とされた時に、右足が後ろに大きく流れて膝が伸びきっているので、すべるような形で突き落としを食ったのがわかります。
幸い怪我の状態は重いものでは無いようですので、それは何より良かったと思います。
しかしながら稀勢の里は、8場所連続休場明けで出場した9月場所では10勝5敗の成績で、ひとまず進退問題の危機は脱しましたが、11月場所の途中休場で、来年1月場所に向け、再度進退問題が問われることは致し方ない情況となりました。
稀勢の里の会見内容!休場理由と今後などについて一問一答!
ーーご決断は?
「今場所一人横綱で迎えた場所でしたけれども、応援して下さったファンの方、そしてこれから国際センターに足を運んでくれるファンの方には本当に申し訳ないですけれども、休場することになりました」
ーー休場に至った理由っていうのは?
「そうですね、非常に場所前調子よく迎えることが出来たんですけども、初日の相撲でまた新しく痛めてしまって…二日目以降も強行(出場)はしましたけれど、なかなか本来の相撲とは程遠く休場することになりました」
ーー新しく痛めた場所というのは?
「診断書にも書きましたけれども、右膝をちょっと…」
ーー(休場の)決断をされたのは?
「昨日の夜にかけて…師匠と話して…」
ーー1人横綱として迎えたわけですが心境はいかがでしたか?
「まぁそうですね…まぁ本当に申し訳ない気持ちです」
ーー4連敗という形になりましたがその結果はどのように受け止めていますか?
「悔しい気持ちです…はい」
ーー来場所はどういったご覚悟で出場される気持ちでしょうか?
「今はしっかりと、痛めたところをしっかり治して、そこからまた考えます」
ーー会場に足を運んでくださるファンであったりテレビの前の多くの方は、横綱に声援を送っていたと思うのですが?
「本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」
ーー復活を懸けるにあたって次に進むということで、見ている方、応援してくださる方にメッセージはありますか?
「最後までね、務めるってことが責任だと思っていましたけれども、このような結果になって、本当に応援してくださった方には、本当に申し訳ないという気持ちでいっぱいです」
ーーもう一度来場所に、力士人生を懸けるということになりますか?
「今はしっかりと怪我を治してから考えたいです」
ーー3連敗の昨日、休む選択もあったと思うのですが、その中で出たというのは、やはり責任というものですか?
「そうですね…やり遂げたい、務め上げたいという気持ちが心にありましたけれども、体がついていかなかったですね」
ーー昨日の相撲も拝見して気持ちの部分はしっかり燃えているという印象もあるんですが、気力の部分はいかがでしょうか?
「あそこまでね、こういう状況でしたけども、結果がついてこなかったですけれども、またいい相撲を取っていきたいという気持ちもありますし…そうですね、また考えていきたいですね」
ーー調子自体は場所は良さそうに見えたんですけど、どの辺りがこういう結果になった要因だったのでしょうか?
「それに関しては、良い調整もできましたし、いろいろありましたけれども、それでも悔しいですね」
ーー1人横綱など、今までに無かった経験などありましたが、その辺りの影響はありましたか?
「そうですね…まぁ、それは、うーん、どうだろう…何とも言えないですけれど。最後まで出来なかった部分は悔しいですね」
ーー今場所、勝ち星無く休場では厳しい声も出てくると思うのですが?
「またしっかり、考えていきたいと思います」
ーー1人横綱の重圧というのは、多少は感じた部分はあったのでしょうか?
「どうでしょうかね…うーん…、やることは一つだと思っていましたけれどね。どうでしょうね…まぁ、初めてだったということもありますけれど…」
ーー来場所に向けてどのあたりを鍛えていきたいというのはありますか?
「そうですね…いろいろと考えていかないといけないですね」
ーー当面はこちら(福岡)に残られて治療などをされるということですか?
「それも未定ですね」
ーー冬巡業についてはどのように?
「とりあえず、しっかり体が動かせるぐらいまで、しっかり体調を戻していきたいと思いますし、それは、そういうふうにしていきたいと思います」
ーー痛めた部分は今どんな状態ですか?
「またちょっと精密検査もしないといけないと思いますし、しっかりまた土俵に戻れるように、しっかりやっていくだけですね」
ーー親方とどんなことを話しましたか?
「いろいろ話しました」
ーー次の場所で覚悟を持ってという思いは?
「しっかりと考えていきます」
ーーファンの方はしっかり待っているでしょうけど、もう一度ファンの方へ伝える思いというのは?
「そうですね…たくさん今場所も声援もらいましたし、本当にありがたいですし、期待に応えられないで、本当に悔しい思いがありました。もっとしっかり…本当に今場所は申し訳なかった」
師匠の田子ノ浦親方の会見、一問一答!
稀勢の里の会見のあと、師匠の田子ノ浦親方の会見もありました。
「昨日本人とも話をしたんですが、本人も『(休みを)ちゃんともう一回もらいたい』ということで、体もだいぶ良くなってきているんですけど、膝の方も痛みが出ているみたいなので『休場させてもらいたい』と」
ーーどれくらい話し合われた感じですか?
「15分くらいですかね」
ーーご本人(稀勢の里)はどんな言葉で?
「本人からは『このままでは終われない』と、『チャンスをください』と」
ーーチャンスをくださいと言った時の横綱の様子は?
「本人はそういうものをしゃべるタイプではないんですけど、昨日はそういう話しになりましたので、次に向けて全力でいきたいという気持ちは感じましたね」
ーー横綱という立場で厳しい声もありますが…
「そうですね。色んなことを言われると思いますが、やっぱり彼の人生ですし、一生懸命やってきているんで…もうちょいですね、結果を出してファンの方や応援してくださってる方に恩返しが出来るようにしたいと思っていると思います」
ーー休場するにしても決断するに当たって色々あると思うんですが?
「まぁそうですね。本人ももういろんな意味で覚悟はしていると思うんで」
ーー昨日の相撲(4日目)でもあと一歩のところといいますか、帰り際も土俵に上がるという執念が…?
「これじゃ終われないと絶対思っているんで、それは本人の口からも出ているんで。自分は信じてやってやるしかない」
ーー巡業の方も?
「そうですね、ちょっと様子見て、本人はもう色んな思いでいると思いますけど覚悟して臨むとは思います」
稀勢の里の口からは何度も「申し訳ない」という言葉が出て、今場所に対する無念の気持ちがひしひしと伝わってきました。
まずは、怪我をしっかり治して、1月場所に向けて覚悟を持って臨むであろう稀勢の里の姿を見守りたいと思います。