ほとんどの方が相撲観戦をテレビ中継で楽しんでいると思います。
ちょっと今までとは違うところに視点を置いてみたり、
少し新しいことを覚えたりするだけで、今まで以上に、
大相撲のテレビ中継を見るのが楽しくなるかもしれません。
今回は「力士編」ということでお届けします!
力士の得意手を覚えれば取組は何倍もおもしろくなる!
まずは、漠然と取組を見ているよりは、それぞれの力士の得意手を
覚えるだけで、その相撲内容が格段にわかるようになります。
特に立ち合いの瞬間、今、力士が何をやりたくて必死に
動き回っているのかが、わかるようになってくるのです。
突き押し力士の立ち合いの違いを覚えよう!
突き押しを専門とする力士の相撲は、比較的わかりやすいですね!
自分は絶対に相手のまわしを取りにいかない相撲です。
突き押しと一口でいっても立ち合いは、
頭からぶつかっていく人
両手を出していく人
速射砲のような突きを繰り出す人
と、さまざまです。
突き押し力士がそれぞれに得意とする形を覚えてみると、
「絶対に相手に自分のまわしはさわらせない!」
という気迫が、より伝わってきますよ!
四つの形を3つ覚えよう!
四つというのは、相手と組み合って取る相撲の形のことです。
ここが少し詳しくなるだけで、テレビで見る取組が、
とてもよくわかるようになります!
まずは、「左四つ」「右四つ」「もろ差し」
この3つを覚えてしまえばOK!
もう少しわかりやすく説明すると、
・左四つ…左手を相手の右脇の下に差し込んで右手で上手を取りたい
・右四つ…右手を相手の左脇の下に差し込んで左手で上手を取りたい
・もろ差し…両手を相手の両脇の下に差し込みたい
たとえば、白鵬は「右四つ」の力士で、
稀勢の里は「左四つ」の力士です。
この2人のように違う型の力士が対戦する時は、
双方が立ち合いで自分の形になるべく熾烈な争いになるので、
こういう対戦を「けんか四つ」の相撲といいます。
白鵬と稀勢の里の立合いの壮絶さが記憶にある方も多いと思います。
また、左四つ同士、右四つ同士のような同じ型同士の対戦は、
「相四つ」の相撲といいます。
立ち合い、お互いが自分の形になれるので、
立った瞬間にガバッと組み合う形になることが多いです。
白鵬と栃ノ心戦などがそうですね。
もろ差しは、自分の両手を相手の脇の下入れる型ですから、
ほぼ相手にしがみつくような形になります。
そのため相手の両手はバンザイ状態!
相手はほとんどが万事休すとなります。
特に体の小さい力士が大きい力士を倒す時に有効な形なので、
小兵力士が得意としていることが多いですね。
よくテレビ中継で実況アナウンサーが、
「あ~!〇〇が中に入った~ぁ!!」と叫んでいるのが、
この、もろ差しになったという意味のことが多いです。
立ち合い、どちらが自分の形になれるかが、勝負の鍵を握っている
といっても過言ではありません。
細かく掘り下げて見ていくと、まだまだ奥深いものですが、
まずは、これだけでも覚えて取組を見てみると、
今まで、立ち合いで単にゴチャゴチャ動いていただけのように
見えていたものが、力士の意図がはっきりわかるようになるので、
おもしろさが倍増するというわけです!
ご贔屓の力士が、立ち合いの瞬間に得意の形になったのがわかって、
「よし!いけるっ!」と叫んでしまえるようになれば、
あなたも立派な好角家ですね!
仕切り中の力士の動きや視線を見てみよう!
仕切りの様子は、力士それぞれに個性があって、
意識して見ているとかなりおもしろいです。
特に、制限時間いっぱいで最後の塩に戻った時は、
力士は自分なりの気合い入れの動きをする人が多いです。
塩をどっさり掴んで撒く人、全身をバチバチと叩きまくる人、
花道の奥にいる付人さんとアイコンタクトしてうなずく人と、
さまざまです。
以前仕切りを見ていた時に、ある力士が「なぜか今日は対戦相手と
目を合わせようとしないな~?なんかソワソワしている感じが
するな?」と思っていたら、
その後の立ち合いで、いきなりの変化!
「なるほど、いつもやらないことをしようとしていて、
仕切り中に気持ちが動揺していたのか!」とわかったわけです。
仕切り中は力士も知らず知らずのうちに、
心の動きが出てしまうものなんでしょうね。
そんな意識で仕切りを見ていると、制限時間まであっという間に、
時間が過ぎてしまいますよ。
まとめ
生観戦ではわかりにくい、細かいところを見ることができるのも、
テレビ中継での観戦のおもしろいところです。
力士の得意手がわかったり、心境を観察しながら見ていると、
今まで以上に相撲観戦が絶対におもしろくなりますよ。
是非、楽しいテレビ観戦にしてくださいね!