一年収めの11月場所がいよいよ始まりました!
今場所は残念ながら、横綱・白鵬と鶴竜は怪我のため休場となってしまいましたが、一人横綱となった稀勢の里を中心に、どのような展開になっていくのか注目していきたいと思います!
初日の取組から好取組だった三番をピックアップして、その相撲内容と勝負のポイントをご紹介していきます!
【平成30年11月場所・初日】熱戦好取組三番!の勝負のポイント!
①●稀勢の里ー貴景勝〇(叩き込み)
立ち合い、稀勢の里は右から張って貴景勝の出足を止め、右からののど輪で突き上げると、貴景勝も左のど輪で応戦押し合いに。
貴景勝は低い姿勢から稀勢の里の胸、腹めがけ、突き、またのど輪を繰り出す。
稀勢の里は左の差し手を意識しながらつかまえるチャンスをうかがいながら応戦し続けるも、貴景勝の激しい突き押しになかなか左は差し込めない。
そんな突き合いの中、稀勢の里が右からの攻めを出そうと手を出したところで、貴景勝に瞬間体を左に開かれ左から突き落とされると、稀勢の里の右手は目標を失い、前のめりに土俵へ落ちた。
貴景勝の闘志あふれるしつこく低い攻めに、徐々に稀勢の里の体が立って腰が高くなったことが少し気にかかるが、左からの差し手にこだわり、むしろ落ち着いて見すぎたか。
しかし稀勢の里は、立ち合いも低い貴景勝の攻めにも下がることなく、下半身もどっしりとした印象だったので、あまり体調を心配するようなことは無いのではないか。
攻めの姿勢が貴景勝の方が勝った一番とも言える。
②〇豪栄道ー北勝富士●(押し出し)
立ち合い、豪栄道は左から張って右差し、北勝富士の出足を止めると、防戦に回った北勝富士は体を離そうと叩くが、それに乗じて前に出る豪栄道。
北勝富士も応戦し右のど輪から何度か攻め立てるが、腰が引けているためか圧力が豪栄道に伝わらず、再びの叩きも豪栄道は難なく体を寄せ、左上手を取ると一気に攻め立て押し出した。
押し合いになった時に、豪栄道は悪い癖の叩きが一度も出ず、辛抱して応戦できていたところを見ると、攻めに自信を持っているように思われる。
③●栃ノ心ー玉鷲〇(押し出し)
玉鷲は立ち合い頭から低く栃ノ心の胸に当たると、栃ノ心は突き放そうとするも、玉鷲の右ハズがいいところに入り、栃ノ心は腰が浮き防戦に。
栃ノ心たまらず叩こうとしたが、体が立っていたため、さらに玉鷲の低い押しをまともに受けて土俵の外へ。
栃ノ心はいいところなく完敗。
栃ノ心にとって玉鷲戦は、7月に右足親指の怪我を負った時の対戦相手だっただけに、少し怖さがあるのか、立ち合いの鋭さが欠けていたように思う。