大相撲のテレビ中継を見ていると、必ず耳に入って来るのが、
「ヒガ~ァシィ~〇〇~」という、取組をする力士を呼び上げる
美声ですね。
たっつけ姿の呼出しさんが、サッと扇子を開いて、
土俵に立つ粋な姿は、皆さんもよくご存知かと思います。
今回は、呼出しさんの土俵上での呼び上げ以外の、
色々な仕事をご紹介していきます。
土俵まわりで呼出しさんが何をしているのか見てみよう!
呼出しさんは土俵上での力士の呼び上げ以外に、
相撲進行中の土俵まわりのさまざまなことすべてを取り仕切って
いると言っても、過言ではありません。
土俵の進行を拍子木で伝える
土俵入りや中入りが始まるという合図は、
拍子木で鳴らす音で伝えます。
この拍子木を打っているのは、呼出しさんなのです。
東方と西方とで打ちわけられるのですが、
微妙に音程が違うのをご存知ですか?
よ~く耳を澄ませて聞いてみてください。
土俵まわりの仕事あれこれ
呼出しさんは、土俵まわりのことすべてに対して、
細々と機転をきかせて動き回っています。
たとえば、
- 荒れた土俵をほうきで掃く
- 乾いた土俵に適度な湿気を保たせるためにジョウロで水を撒く
- 力士が力水をつける時に柄杓や力紙を渡す
- 制限時間いっぱいの力士にタオルを渡す
- 控えの力士が座る座布団を交換する
- 塩や水の補充や管理
- 勝負が決まった後に懸賞袋を行司に手渡す
- 懸賞幕を持って土俵周囲を回る
- 土俵で怪我をした力士がいたら手を貸して土俵下へ降ろす
などなど、とにかくひたすら土俵まわりで動き続けています。
取組で力士が呼出しさんの座っている塩カゴと水桶の置いてある
場所へ、たまたま落ちていくことがあるのですが、
その時の呼出しさんの動きを見てみてください。
「あ、力士が来るっ!」と思った途端に、水桶をつかんで、
サーーッと後方へ逃げて行きます。
その姿の機敏で鮮やかなこと!
この時、呼出しさんは塩カゴは置いて逃げるので、
運悪く落ちてきた力士が塩カゴを蹴とばすと、周囲に塩が
散乱してしまいますが、水桶がひっくり返された時の惨事を思えば、
水桶を持って逃げる理由がわかりますね。
そんな場面もおもしろいので、注目してみてください!
まとめ
呼出しさんが土俵周囲を支えている大事な裏方さんだということが
おわかりいただけたでしょうか?
ちなみに、力士が戦う場所である土俵も、呼出しさんが
造っているのです。
他にも、テレビ中継には映らないさまざまなところでも、
呼出しさんはたくさんの仕事をしています。
今回は、テレビで見ることができる呼出しさんの仕事を
ご紹介しました!